れんげ荘に住む素敵なグレイヘア女性
群ようこさんの「れんげ荘」という小説を読んでいたら、素敵なグレイヘア女性が出てきました。
主人公のキョウコ(45歳)が人生のイロイロをリセットしたくて、仕事を辞めて越してきた「れんげ荘」という、まぁズバリ言うと「ボロアパート」。そこの先住民(という表現でエエんかな。汗)の、気さくで親切なクマガイさんという女性。60歳過ぎ、という設定です。
ある日キョウコは、そのクマガイさんから食事に誘われます。
箸をすすめている彼女の顔を見ながら、顔の周囲にある白髪を黒や茶色にして想像すると、肌もつるつるしているし、もしかしたら意外と若いのかもしれないと思った。
「クマガイさん、髪の毛、染めるのやめちゃったんですか」
無意識に口から出た言葉に、キョウコはあせったが、クマガイさんは、
「そうなのよ。面倒くさくなっちゃって」
とあっけらかんと答えた。
ー 中略 ー
「この歳になったら白でも黒でも茶でもなんでもいいんだけど、明るい色の服のほうが好きだから、白髪のほうが映りがいいから染めるのをやめたのよ」
(群ようこ「れんげ荘」より引用)
この小説は10年以上前に出版されたものですので、クマガイさんはまさにグレイヘアの先駆者だと思いました。
私も、めったに訊かれないですが、それでも訊いてくる方が「直後にあせったり」してるのを感じます。そして答えも「面倒くさくなっちゃって」・・・クマガイさんと同じです(笑)
クマガイさんの白髪染めをやめた理由、前向きで素敵だと思いませんか?
あっけらかんと、オシャレで染めてないのよって、実にイイ。同じ「めんどくさくなっちゃって」でも、そこが私とは違うなぁと、ちょっぴり尊敬、そして反省、です。
じゃあ私の理由は何って、いろいろある中でも一番大きいのが「染めてる時間、ジッと座ってるのがイヤ」なのです。もう本当にイヤ。時間のムダ。ケツ痛い。目の前に置かれた3冊の雑誌を読むだけの沈黙のひととき。
この置かれる3冊の雑誌(私が通った美容室はどこでもだいたい3冊置いてました。何か決まりがあるんでしょうか。笑)も、なんかイヤなんです。若い頃は「an・an」とか「non-no」を置いてもらえてたハズなのに、いつの頃からかそれが「VERY」になり「Oggi」になり・・・まではいいんですよ。大人の女性って思ってくれたのね、と納得できますから。でも「週○女性」とか「女○自身」を置かれた日にゃあ、大人の女性ではなく、ババァと思われたんだな! と(涙)
さらに、どうやらコイツはファッションよりも生活情報の方が好きっぽい、と担当美容師に認識されると(実際そうなので、担当さんの見立ては正しいしありがたかったのですが)「Kansai Walker」とか「クロワッサン」を置いてくれているうちは受け入れていた私も、いつだったか「オレ○ジページ」「レタ○クラブ」「VERY」の3冊を置かれた日にゃあ、私は美容師さんに一体どう映ってるんだろうとしばし頭をひねりました。
しかも、お情けで(多分お情け。笑)で置いてくれてたであろう「VERY」には手を付けず、「オレ○ジページ」「レタ○クラブ」の節約レシピばかりガン見してた私は、オシャレなクマガイさんにはほど遠いよなぁと反省しきりなのであります。
そしてビールが何よりも旨いと感じる、ババァというよりはオジサンな私です(笑)