グレイヘアの神様?(笑)
不定期ではあるが、こちらの温泉施設には本当にお世話になっている。先日も、少し悪化していた腰痛を癒すため訪れたのだ。
相変わらず人生の大先輩方の坩堝である(笑)
前回と違ったのは、この日はグレイヘアな方が話題の中心になっていたこと。といっても別に、その方が「白髪染めなんかやめなさいよ!」とふんぞり返っていたわけではない。上品なベリーショートのグレイヘア女性が静かに入浴されていたのを、周囲のお姉様方が
「キレイですね!」
「もう染めないのですか?」
と質問攻めにしていたのである。
こんなエエ場面に遭遇できるやなんて、私、グレイヘアの神様に愛されてるのかしら(笑)などとワケワカラン感動に包まれつつ、なりゆきを見守っていた。
「だって、めんどくさいでしょ、染めるの」
という回答に、思わず「私もー!」とのっかりたくなったよね。そうなのよ。白髪染めって、めんどくさいのよ!
私も白髪染めをやめていれば
アレルギーなどの理由で、本当は染めたいのに染められない方々の話もよく伺うし、身近にもそういう方はいらっしゃる。それはお気の毒なことだと思う。
そんな中「ん、めんどくさいし♪」という理由で白髪染めをやめてしまった私は、この筋では苦労知らずのヒトなのかもしれない。
だけど、だからって、変な負い目を感じる必要なんてないのだよね。染める・染めない・そんなの、どんな事情があるにせよ、個人の自由なんだから。
「私ね、白髪が多いってずっと思ってて、仕方なく染めてたんです。でも結局、染め続けたことで、白髪も増えたし、毛量は逆に減ったような気がしてるんですよ・・・」
と訴えていた女性が、件のベリショグレイヘア女性に年齢を問うた。
「85歳です」
静かに微笑みをたたえながら答えるベリショグレイヘア。
「私、84歳なんです。ひとつしか違わんのやね!」
こう答えた女性も、見ると茶髪と白髪のツートンカラーで、なるほど実は白髪染めから撤退しようとしてるんだな、という意気込みが見え隠れ。
そのベリーショートのグレイヘア女性が、なにげに後頭部の髪色は黒いのを見て
「もっと早く、私も白髪染めをやめていれば、黒い部分も残ったのかもしれませんね。毛量も、もっとあったのかもしれませんね・・・」
としみじみ語る84歳。でも、今気付いて良かったやん! と勝手に思う私。少なくとも私の目には、まだまだイケてるお姉さんに映ったもの。
と同時に、五十路で白髪染め卒業できたことに、感謝の想いが沸き上がった。
グレイヘアブーム。ブームって一過性のモノと思われるかもしれないけど、私はそのブームのおかげで、すごくラクに軽やかな気分になれたのだ。
まあ、大先輩の意見をどう受けとめるかは、ホントに個人の自由ではありますけどね。